「田野農園」は、平成26年2月に、さつま町農業委員会よりみかん園の農地購入の許可を得て、はじめて実践的農家となりました。 文字通り無我夢中、見様見真似で栽培に努力し雑草との格闘を繰り返しながらやがて収穫の時期を迎えました。 濃い緑の葉の中にオレンジ色に輝くみかんの顔を見たときの晴れやかな踊るような感動は筆舌に尽くしがたいものでした。 それ以来農業の有り難い恵みとその意義を存分に噛みしめています。不慣れな農作業もみかん栽培を始めて5年になろうとしていますが、収穫の喜びを糧に精を出しています。

さつまの地も少子高齢化の波が年々高く強く押し寄せてきていますが、豊かな自然と日常的に利用可能な数多くの温泉があり、一日の疲れを癒し、穫れたての野菜、果物、食肉、魚介類を食卓に載せ幸せに生きるぬくもりのある人々と言葉を交わしながら、豊かな自然の中に身を任せる最高の贅沢を日常としていることに感謝せずにはいられません。 田野農園は、みかん園とブルーベリー園、それに季節の野菜を少量ずつ栽培しています。老齢になってから始めた農業ですから、私たち夫婦の身体の負担にならないように気をつけながら楽しめる程度で栽培しています。

みかんとブルーベリーの栽培は、人手を借りて草払いから収穫まで大わらわな作業の連続です。 みかんを狙ってやってくるイノシシやシカ、あるときはサルまで、加えてカラスや他の小鳥たちが空から襲撃してきますので、それらの敵に対峙するのは容易ではありません。 そんなこんなの後での収穫ですから、喜びもひとしおというところです。

2014（平成26）年2月に誕生した鹿児島県薩摩郡さつま町の「田野農園」から、生産にこぎ着けた『十万温州みかん』をお届けします。
『十万温州みかん』は、鹿児島では『幻のみかん』と言われる人気のある品種です。‘十万’は県内産のほとんどが新生地区で栽培されている生産量の少ない希少価値の高い品種です。
『十万温州みかん』は、「かまつち」と呼ばれる粘性の強い赤土で、ミネラル分など無機質を豊富に含んだ保水の効く土壌で育てられています。収穫後１～２ヶ月間ほど貯蔵庫で完熟させることで、紅が乗り甘みが凝縮され、まろやかになります。これが、‘十万’を『幻のみかん』と呼ばせる所以だそうです。
熟成が進むにつれ『十万温州みかん』は、甘味、旨味、コクが増すだけでなく、ビタミンC、クエン酸、ペクチンなどに加えβ-クリプトキサンチンも多くなることがわかってきました。β-クリプトキサンチンは、骨粗鬆症の予防、糖尿病の進行抑制、免疫力の向上さらに美肌をつくるなどの健康効果があることで知られています。
『十万温州みかん』の旨味を、どうぞ心ゆくまでご堪能ください。